差別と日本人
価格: ¥ 760
■内容紹介
日本の中に蔓延る「差別」。日本人はいつから「差別」と関わり続けているのか?日本のタブーに論客2人が論じる日本の行方と日本人論の決定版。
■内容(「BOOK」データベースより)
部落とは、在日とは、なぜ差別は続くのか?誰も語れなかった人間の暗部。差別への無理解と、差別が差別を生む構造。
■カスタマーレビュー
・1.内容
「在日朝鮮人」と自己規定する辛淑玉さんが、元衆議院議員で、いわゆる部落出身者の野中広務さんに、主に部落差別の歴史をインタビューしたもの。野中さんの歴史、部落差別を中心とした差別の歴史、差別とは何か(「快楽」だそうだ。p18)などがわかる本である。
2.評価
日本における差別の歴史がわかっていい本である。また、「在日朝鮮人」差別などが部落差別と絡んでいたり、部落差別と天皇制と絡んでいたりする(もっとも、部落被差別者も、天皇好きの人もいる(p126、127)など、複雑のようだ。なお、個人的には未調査で、疑問留保)こともわかって、啓発される内容である。ただ、辛さんの展開に疑問があるので(単なる自由民主党代議士の悪口にすぎないところもあるし、(新書だから仕方がないが)根拠があるのか疑問のあるところがあったので)、星4つ。
3.付言
いつだか忘れたが、「週刊ダイヤモンド」誌上で、コラムニストの林操さんが、北朝鮮に甘いという趣旨のことを書いていたが、著者の体験であること、本題と関係ないこと(主に日本の部落差別を取り上げている)から、的外れの批判といわざるを得ない。
・野中広務氏のことは個人的には高く評価してきた。
彼のアファーマティブアクションへの批判に強く共感していたからだ。
この本の読後感を一言で言うと
”野中も老いたな”ということに尽きる。
国旗国歌法の制定に際して、
「強要するものでも何でもない」と発言した彼の
「あれは東京だけだ」という発言には正直ちょっとがっかりした。
彼のいう国旗国歌法の制定意図はよく理解できただけに本当に残念だった。
また麻生への批判の一方で石原慎太郎への擁護発言など、
いまいちしっくりこない感じで読み進めていったが、
最後の第四章でなんとなく得心がいった気がする。
彼はもう闘うことに疲れたのではないだろうか。
彼は自分が取り組んだ問題は「解決したと思いたい」状況にあるのか
過去の自分の行動への反省の弁などはあまり見られない。
魚住昭「野中広務 差別と権力」の分析に見られるように
野中氏のあの行動力はおそらく
「一生懸命正しいことをやっていけば、自分が非難される謂れなど何もない」
という強い信念から生まれていたものだろうと思う。
彼は部落差別者の差別への「言い訳」である
「部落利権」を恐らく最も強く批判して是正してきた人間だ。
その彼に向けても世間は、なお冷たいまなざしを、
彼に限らずその家族にまで向ける。
そのことに彼はきっと疲れきっている。
この本の後段部分を読んでそう思った。
他の方も書いておられるが
辛氏はやや暴走気味で眞に情けない限りだが、
彼女の内縁の夫の気持ちが少しわかった。
私もまた辛氏の言うところの
「人権は好きだけど、当事者と一緒に生きることはできない」人なのかもしれない。
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